骨軟化症の症状
骨軟化症の初期にみられる主な症状を紹介します。
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骨軟化症の初期にみられる主な症状
- 骨が痛い。多くの患者さんが痛みを訴える部位は、階段を降りるときの足の甲や、寝返りを打ったときの肋骨周辺で、症状が進行すると歩いているときに股関節が痛くなることもある
- 筋力が低下する。ひどい場合は寝たきりになることも
他にも、骨や関節、筋肉などに関連した以下の症状が現れることがあります
- 骨折(骨粗鬆症が原因で起こる骨折とは折れる場所が異なる)
- 偽骨折(骨を横断しない骨折で、激しい運動によらず日常生活の中で起こる。また、治るのに時間がかかる)
- 筋肉の痛み
- 関節の痛み・こわばり(動かすのが難しい)・関節に違和感を覚える
- O脚(内反膝)やX脚(外反膝)など、下肢(腰から足まで)に変形がみられる
- 足を引きずって歩く、バランスを取ろうと左右に揺れながら歩くなどの歩行異常がみられる
- 胸を形作っている胸郭が前に突き出るように変形する(鳩胸)
- 背骨が曲がるなどの変形がみられる
- 同年代の平均と比べて身長がかなり低い(低身長)
写真説明:腫瘍性の骨軟化症の患者さん(男性、61歳)のX線画像。
- ①偽骨折(右大腿骨転子下)
- ②骨折(左大腿骨頸部)
- ③骨折(左大腿骨転子部)
(写真提供:東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授、東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長 伊東伸朗先生。一部加工。転載禁止)
写真説明:X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH*)の患者さん(男性、48歳)のX線画像。
*XLH:X-linked Hypophosphatemic Rickets/Osteomalaciaの略称
- O脚
(写真提供:東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授、東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長 伊東伸朗先生。転載禁止)
写真説明:X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)の患者さん(女性、42歳)のX線画像。
- X脚
(写真説明:東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授、東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長 伊東伸朗先生。転載禁止)
また、歯や耳に関連した症状が現れる場合もあります
- 耳が聞こえにくい(難聴)
- 歯ぐきが赤く腫れたり膿がたまる歯肉膿瘍やひどいむし歯がみられる
骨軟化症の原因によって現れる症状が一部異なります
骨軟化症は原因によって分類されています。その分類によって、現れる症状が一部異なりますので、どの原因にどの症状がみられるかなど詳細については、「くる病・骨軟化症の3つの原因と疾患」をご覧ください。
この記事の監修ドクター
伊東 伸朗先生
- 東京大学医学部大学院医学系研究科 難治性骨疾患治療開発講座 特任准教授(研究室HP)
- 東京大学医学部附属病院 骨粗鬆症センター 副センター長